住み替えでローン2重苦になる!?ダブルローンと住み替えローンについて解説

最終更新日:2020/08/18

家とお金と電卓

家の住み替え(買い替え)を考えている時に気になるのが、「どのくらいのお金を用意しなくてはいけないのか」ではないでしょうか。現在住んでいる家のローンは残っているし、もし希望通りに売れなければ上乗せしてお金を払わなくてはいけなくなってしまいます。

実は、現行の制度を調べてみると、買い替えをしやすいようにローンや税金の仕組みが整えられているのはご存知でしょうか?

全体で発生するお金は、そういった仕組みを知っておくだけで上手に買い替えることができます。

住宅ローンが残っていても住み替えられる?

ここでは住宅ローンが残っていても住み替える方法として、①売却代金で住宅ローンを完済する方法、②ダブルローンを組む方法、③住み替えローン(買い替えローン)を組む方法の3つをご紹介します。

売却代金で住宅ローンを完済する方法

今住んでいる家の住宅ローンが残っていても、まとまった売却代金で残りの住宅ローンを完済する方法が、最もスムーズかつ一般的な方法になります。

新たに物件を購入する時には通常の住宅ローンを新たに組むので、特別気をつけることもありません。

ダブルローンを組む方法

住宅ローンが残っている家を住み替える方法として、ダブルローンを組む方法があります。

ダブルローンは今住んでいる家と新居の二重ローンを組んで2本のローンを並行して返済するものです。2本のローンを同時に返済するのでかなり経済的に余裕がなくてはいけません。また金融機関での審査についても2つ分のローンが勘案されてしまうので、通るのが難しくなります。

住み替えローン(買い替えローン)を組む方法

ダブルローンを組む方法のほかに、住み替えローンを組む方法があります。

住み替えローンとは、今住んでいる家のローンの残額から売却代金を引いて、残ってしまった額を新たに組む住宅ローンに上乗せして借り入れる仕組みをいいます。

次のような例で見てみましょう。

  • 今住んでいる家のローンの残額が1,800万円
  • 今住んでいる家の売却代金が1,500万円
  • 3,000万円の家をローンで購入する

この場合、住み替えローンを利用すると、今住んでいる家のローンの残額を売却代金で返しきれなかった300万円を、新居購入費用である3,000万円に上乗せして3,300万円を借り入れることができます。

通常は住宅ローンを組む時に物件を担保としますが、それに前の物件の残債が加わるので審査が通りにくくなります。

住み替えとダブルローン

ダブルローンは今住んでいる家と新たに住む家のローンを二重に支払うものです。例えば、今住んでいる家の住宅ローン返済が毎月7万円、新たに住む家の住宅ローン返済が毎月8万円の場合、ダブルローンを組むと毎月15万円の支払いをすることになります。

ダブルローンのメリット

ダブルローンのメリットとして、家の売却と購入のタイミングを合わなくてもよくなります。

通常、家の売却のタイミングで新居を見つける必要がありますが、好条件での売却と購入のタイミングを合わせるのは難しく、どちらか一方を妥協する必要があります。

しかし、ダブルローンを組むつもりならば、新居が見つからない理由で良い条件で家を売るチャンスを見送ったり、売却先が見つからない理由で理想的な新居の購入を諦めずに済みます。

ダブルローンのデメリット

ダブルローンの一つ目のデメリットは、融資の審査が厳しくなることです。

ローンを組むには金融機関の審査を通らなけらばなりません。今住んでいる家のローンが残っている状態で、新たにローンを組むためには高い返済能力が求められるので、審査も厳しくなります。

ダブルローンの二つ目のデメリットは、月の経済的負担が大きくなることです。

住宅ローンを2件同時に抱えることになりますから、当然月々の経済的負担が大きくなります。

住み替えと住み替えローン(買い替えローン)

住み替えローン(買い替えローン)は、今住んでいる家の住宅ローンの残額から家の売却代金を引いて、残った額を新居の購入費用のローンに組み入れる仕組みです。

住み替えローン(買い替えローン)のメリット

住み替えローンのメリットは、家の売却代金で返しきれない残債を手持ちの資金を使わずに完済できる点にあります。

一般的に、家の売却代金で返しきれない残債は、手持ちの資金で返済しなければなりません。しかし、住み替えローンを利用すると、この残債を新たな住宅ローンに組み込むことができるので、手持ち資金を減らさずに住み替えることができます。

また、住み替えローンの金利と通常の住宅ローンの金利が同じ金融機関もありますので、金利の負担が大きくならない場合もあります。

住み替えローン(買い替えローン)のデメリット

住み替えローンのデメリットとしては、借入額が大きくなることにより金融機関の審査が厳しくなることと、返済による経済的負担が大きくなることが挙げられます。

住み替えに使える税金対策・控除について

さてここからは税金についてです。買い替えではいくつか税金対策ができるので、確認していきましょう。

3000万円特別控除

住み替えをするということは始めに不動産を売却することからスタートしますので、売却時の利益(譲渡所得)は課税されます。

譲渡所得=売却代金-(取得費+必要経費)

この譲渡所得に課税されますが、マイホームの売却の時は特例の適用によって3000万円まで控除することができます。

買い替え特例

住み替えのために不動産を売却する場合は利益を上げる目的ではないので、優遇されるというものです。具体的には、譲渡所得にかかる税金はその場で課税されず、将来住み替えた物件を売る時に合算できる仕組みになります。

譲渡損失の損益通算・繰越控除

譲渡損失とは、先程の計算で所得の部分がマイナスになったものを指します。この場合は他の所得がある場合は相殺することができ、さらに将来3年間に渡り他の所得と相殺が可能になります。

住宅ローン控除

ローン残高の1%(例えば3000万円の残高なら30万円)が10年間に渡って控除されるものです。4000万円が上限で特別控除と併用ができません。

*特別控除については「事情が違えば支払う税金も変わる?不動産売却で使える特別控除とは」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

住み替えでかかる費用は?

最後に住み替えにかかる大まかな費用について紹介します。

住み替えといっても、行う手続き自体は不動産の売却と購入です。同時に行うことでメリットがあるために住み替えや買い替えと呼ばれますので、押さえておきましょう。

*不動産売却の費用については「仲介手数料だけではない、不動産売却で生じるさまざまな費用」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

簡単に費用を紹介すると、まずは不動産会社への仲介手数料がかかります。通常は売買代金の3%+6万が相場になります。その他、売買契約書に貼る印紙代が1万円程度、登記に関する登録免許税は数千円で、抵当権の抹消や住宅ローンの繰り上げ返済でおよそ5万円程度がかることになります。固定資産税は日割り分の負担になるので、1月1日に支払った過払い分は戻ってくることになります。

一方で購入にかかる費用は当サイトでは未紹介ですので、ここでまとめておきます。

購入の場合にも原則的には売却時と同じような費用がかかります。仲介手数料(3%+6万円)や登記費用の3万円、日割りの固定資産税などは負担しなくてはいけません。

購入時にのみ発生するのは住宅ローンを組むための100万円前後や火災保険50万円前後が購入した物件に応じて発生することになります。

*消費税については「不動産売却で「消費税がかからない」は間違い?実例で知る課税対象」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

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