事情が違えば支払う税金も変わる?不動産売却で使える特別控除とは

最終更新日:2019/07/17

不動産を売って売却益が出ると、税金を納めなくてはいけません。

しかし売却の事情は人によって異なりますので、税制上のいくつかの措置によって調整が行われています。そこで今回は、不動産売却にかかる税金の調整である「特別控除」についてみていきます。はじめての自宅売却でもいくつか適用できるものがありますので、ぜひここで確認しておきましょう。

特別控除できるのは「土地建物の譲渡所得」

譲渡所得の特別控除の種類

一覧

(1) 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
(2) マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
(3) 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
(4) 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
(5) 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
(6) 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例
国税庁HPより引用

以下、特に一般的なマイホームに関する特例を中心に詳しく見ていきましょう。

マイホームを売却した時の3,000万円の特別控除

まずは初めに紹介した一覧の中でも特に適用されるケースの多い、マイホーム(居住用財産)の売却にかかる3000万円の特別控除について見ていきます。

特別控除の計算式

不動産売却で課税されるのは売却で得た「譲渡所得」についてです。譲渡所得に関してはいくつかの記事でも紹介していますが、改めて紹介しておきます。

譲渡所得=売却代金-(取得費+譲渡費用)

3000万円の特別控除が適用されるのはこの譲渡所得にかかる税金で、

(譲渡所得-3000万円)×税率

という計算になります。

適用要件

まずは売却の同年を含む過去3年間に「買替えの特例」や「交換の特例」の適用を受けている場合にはこの特例をつかうことができません。同様に3000万円特別控除を前年・前々年に受けていると適用されなくなります。

後述する収用の特例とも併用はできないので注意しましょう。

その他夫婦間など特別な関係にある人同士での売買も適用外になってしまいます。

過去に住んでいた・住まなくなり取り壊した場合

過去に住んでいた家や済まなくなり取り壊した家の場合は以下の注意が必要です。

まずは家を取り壊した日から1年以内に譲渡契約が交わされて、さらに住まなくなった日から3年以内に売る必要があります。(3年というのは、3年経った年の12月31日のことを指します。)また、その家を取り壊してから契約を交わすまでにそこを駐車場としてかしていたりすると適用されなくなるので気をつけましょう。

公共事業のために不動産(土地・建物)を売却した時の特例

不動産はほとんどが生活の変化などによる自分都合の売却ですが、公共事業という外部の働きがけのために売却をすることになる場合があります。具体的にどういった場合が対象になるのか、確認してみましょう。

法律の定めのある公共事業

この特例は「土地収用法などの法律で認められている公共事業」が対象になります。

土地収用法は簡単にいうと「国や地方自治体が公共のために行う事業に必要な土地について、“強制的に”土地を収用できるようにする法律のことをいいます。

強制的なので断ることはできず、やむなく売却することもしばしばあります。ちなみに売却する人に対しては手厚い補償があるので、いくつか紹介しておきます。

個別払いの原則
金銭払いの原則

いずれも具体的にいくら補償されるのかは明示されていませんが、一人ひとりに、現金で補償されるということです。これらはあくまで原則で、例外もありますので気をつけましょう。

土地収用法については、最近では東京オリンピックに関して話題になったためご存知の方も多いかもしれません。

最高で5000万円までが控除される

特例を受けるための要件・固定資産である
・収用などに伴って代わりの資産を取得するとそれに関する特例があります。その特例を受けていないこと
・公共事業のための買取り申し出から6ヶ月たった日までに売却していること
・最初に買取り申し出をもらった人が売却していること

平成21年、22年に取得した国内の土地を譲渡した時の1,000万円の特別控除

以下のケースに適用される、1000万円の特別控除という制度があります。

平成21年に取得した土地→平成27年以降に売却
平成22年に取得した土地→平成28年以降に売却

この精度は平成21年(2008年)のリーマン・ショックで低迷した市場の活性化のために実施された税制改正に伴って実施されました。ただし相続などの特別な事情で取得した土地や他の譲渡所得の特例が適用されていると使えない特例なので、ご注意ください。

特別控除の限度

適用される金額には上限があるので、ここで紹介しておきます。

譲渡所得の特別控除は併用できるものあるため場合によっては高額の控除が適用される可能性がありますが、特別控除の限度額は5000万円になります。年内に2つ以上の特例が適用される可能性がある人は気をつけましょう。

特例ごとの譲渡益が限度

また、国税庁のホームページにも記載の通り、譲渡所得を超えて控除されることはありません。いずれの特別控除も特例ごとの譲渡益が限度となります。

参考:東日本大震災の被害と税金

平成23年にあった東日本大震災のあと、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律が施行されています。各特例と関連して税制上の追加措置がありますので、詳しくは国税庁HPより確認してみてください。

特別控除は確定申告

最後に、特例をうけるために必要な手続きに関して見ていきます。

特別控除を受けるためには、「確定申告」が必要になります。ここで不動産売却での譲渡所得を確定させる必要があります。

確定申告については「不動産売却の確定申告書類の書き方は?準備すべき書類も合わせて確認」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

確定申告はその年の所得について、翌年2月~3月頃に行います。会社員でも売却益を申告する必要があったり、期限を超えてしまうと延滞金が発生したり面倒な部分もありますので、事前に準備をしておきましょう。

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