不動産売却が社会保険料・介護保険料に与える影響とは?

最終更新日:2019/11/21

今回のテーマは不動産売却と保険料です。一見すると関係ないようなこの2つですが、不動産売却による譲渡所得社会保険や介護保険に影響を与える可能性があります。

不動産売却益は何度も生じるものではないので、注意するのは売却の翌年の保険料になります。それ以降の保険料については影響がありませんので、まずはそれを押さえておいていただきたいと思います。

1.不動産売買では健康保険に影響がある

冒頭で「譲渡所得」という言葉を使いましたが、これは不動産の売却代金のことではなく、以下の計算で求めた所得のことを言います。

譲渡所得 = 売却代金 - 取得費 - 諸経費

所得税や住民税のことを考える時、この譲渡所得がしばしば登場します。実はこの譲渡所得の影響が税金だけでなく、保険料にも及ぶかもしれないというのです。なお健康保険については厚生労働省の管轄になり税務署での手続きでは無いので、ご注意ください。


さて不動産売買益は各種保険料にどのような影響を与えるのでしょうか?

健康保険は年齢や労働環境・扶養の有無などで、加入している保険が人によって異なります。それぞれ譲渡所得が影響を与えるもの・そうでないものがあるので、以下、加入健康保険の種類に分けて紹介してまいりたいと思います。

健康保険料と不動産所得

まずは一般の会社員と関連する「健康保険」について見ていきます。これは企業などに雇用されている人の保険ですが、結論から言うと、不動産売却益があっても金額は変わりません。

不動産売却益は通常の所得とは分けて計算されます。健康保険は会社員の給与に基づく標準報酬月額から計算されており、標準報酬月額は給料以外の所得の影響を受けないため、金額は変わらないということになります。

健康保険には大手企業がオリジナルで運営している組合健保、中小企業群のための協会けんぽの2つの種類がありますが、どちらも同じ健康保険なのでご安心ください。

被扶養者の不動産売却は注意

簡単に言うと、不動産売却による所得が大きすぎると、扶養から外れてしまうかもしれないということです。扶養についてはよく話題になるところかもしれませんが、目安として130万円を超えて譲渡所得を得てしまうと扶養から外れ、国民健康保険に切り替わります。保険料の発生しなかった状態からの変更になるので、きちんと把握した上で売却しなくてはいけません。

共済保険料と不動産所得

共済保険は公務員が加入する医療保険になります。初めに紹介した会社員の健康保険と同様に「標準報酬月額」によって計算されるので、不動産売却益の影響で金額が大きくなることはありません。

こちらも健康保険と同様に被扶養者の不動産売却には影響がありますので、気をつけてください。

国民健康保険料と不動産所得

次に不動産売却が国民健康保険料に与える影響を見ていきます。そもそも国民健康保険は一般のサラリーマンではなくフリーランスや自営業、無職の人などが加盟するものです。

国民健康保険の料金の内訳は医療分保険料・後期高齢者支援金分保険料・介護保険料となっており、各料金は平等割(全世帯で平等負担の分)・均等割(加入人数に応じた負担分)・所得割(所得に応じた負担分)で構成されています。

所得割

今回の不動産売却に関しては「所得割」が関係しているので、こちらで詳しく見てみたいと思います。この場合の所得割は前年度の所得に応じて負担することになっており、「総所得」金額等を用いて計算します。なお、控除額は33万円で、これを引いた金額に保険料率が掛け合わされます。

不動産売却で譲渡益(譲渡所得)が生じると、当然ながら所得が増えることになります。したがって不動産売却益のあった翌年の健康保険料は、普段よりも増額されることになりますので、覚えておきましょう。

なお、計算式は自治体ごとに異なるので注意が必要です。不明なことがあれば管轄の自治体に行くと相談にのってくれます。

後期高齢者医療保険料と不動産所得

75歳以上の方や条件を満たす65歳上の人は、「後期高齢者医療制度」によって支払う保険料が別途定められています。国民健康保険と同じく所得割が関わってくるので、不動産売却で得た所得の影響を受けることになります。

後期高齢者医療制度に該当する人の多くは年金が主な収入になると思います。年金は雑所得に含まれ、不動産の譲渡所得と合計して総所得を計算します。結果的に通常の所得の場合と変わりませんので、ご紹介にとどめておきます。

【参考】譲渡所得がない場合

譲渡損失

譲渡所得は売却で生じた利益のことを言います。つまり譲渡損失が出ている場合には保険料の増額はありません。参考まで、譲渡損失は確定申告をしておくことで他の税額を減算できることもありますので、譲渡損失についても確認すると良いかもしれません。

不動産会社に相談

保険料に関する相談は自治体に相談するといいですが、「譲渡所得」のことでわからないことがあれば不動産会社への相談がおすすめです。不動産会社選びは容易ではないので、当サイトでは一括査定サイトの利用をおすすめしています。

以下のフォームに所有者情報と物件情報を入れるだけでいくつかの会社を比較して進めることができるので、まだ売却を検討中の人は使ってみると良いかもしれません。

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2.譲渡所得と介護保険料


介護保険制度は40歳以上が介護保険料を支払い、これを財源に介護が必要な人に対し段階的に費用を給付する制度です。実は平成30年度に大きな改正があり、不動産の譲渡所得から減算できるようになりました。不動産売却と介護保険料の関係は大きく変わったので、順番に見ていきましょう。

介護保険料の計算における譲渡所得

介護保険料は所得に応じて段階的に負担が重くなります。

しかも従来は介護保険料を計算するための譲渡所得について、特別控除前の金額を基準価格として所得額を計算していました。不動産売却における特別控除とは譲渡所得計算の時に一定の要件を満たすことで適用できるもので、最終的な納税額を小さくできます。

つまり従来は不動産売却によって所得を得た場合には介護保険料が高額になる可能性があり、気を配る必要があったということになります。

譲渡所得の減算

介護保険料の負担については東日本大震災後、所有物件にとどまることができない人が物件を手放し、その翌年に重い保険料負担を強いられることになったため見直されることになりました。結果的に平成30年に介護保険制度が改正され、災害に関連する特別控除を適用できるようになったことで負担が軽くなりました。

以上が不動産売却で譲渡所得があった時に気をつけたい保険料についてでした。税金についてはよく耳にしますが、意外だったという方も居たのではないでしょうか?ご自身の加入する健康保険は関係あるのか、また介護保険については特別控除を適用できないのか、参考にしていただきたいと思います。

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