不動産売却のタイミング、離婚が先か売却が先か

最終更新日:2019/07/25

これから離婚をするなら、婚姻関係だけでなく持っている財産の共有関係も解消しなくてはなりません。特に家を持っていたら、どこから整理していけば良いのか悩ましいのではないでしょうか。

当記事は、不動産の売却と離婚のタイミングについて紹介しています。どちらからどのように進めればいいのか、一般的な場合と例外、また通常の売却以外の選択肢も合わせてまとめましたので、参考にしてみてください。

不動産を売却した方がいい理由

離婚と不動産売却でどちらを先に行うか検討する前に、離婚に際して不動産売却をするとどんなメリットがあるのかまとめました。売却以外にも誰かが住む、貸すなどのパターンはありますが、離婚という事情を考慮して、見ていきましょう。

人生設計の見直しができる

離婚という穏やかではない事情の中で不動産を売却する一番のメリットは、ライフプランの立て直しができることではないでしょうか。

もし子どもの成長や仕事の都合で不動産を売却せず、妻や夫が住んでいたとします。夫がローンを払い続けるか、もしくは名義を妻に変更することになると思いますが、住宅ローンの名義変更は容易ではないので前者のパターンが一般的です。すると夫名義の不動産に住み続ける妻は、名義人である夫の住宅ローン支払いに生活が左右され続けることになります。

このような住宅ローンの問題など別れた後もネガティブな関係が続くことを望む人は少ないと思います。だからこそ心機一転、売却してしまって今後のトラブルから開放された方が良いのではないでしょうか。

*名義変更の難しさについては「離婚しても簡単にはできない、家やローンの名義変更」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

精神的なトラブルを避けられる

離婚はただでさえ精神的に疲弊するのに、加えて住宅ローンのことを考えるのはストレスです。不動産を売却してしまうことで、返済できないリスクや連帯保証など、長期的な精神面の負担を軽減することができます。

費用負担が減る

物件の種類がマンションであれ戸建てであれ、保有していることでお金がかかります。住宅ローン以外にそういった金銭面のリスクはあるので、売却でそれを解消することができるということです。

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離婚と財産分与の順番やタイミング

さてここから本題の「離婚が先か、不動産売却が先か」です。まずは離婚で行われる財産分与、特に不動産売却が伴う分与を中心に紹介します。

原則は売却よりも離婚が先

離婚に伴う不動産売却では、二人の財産を分けるという大仕事が待っています。(分与の割合は夫婦となってからの資産を半分ずつ分けるのが基本です。)ここで離婚の前後、どちらがより損をしないのか、考えていかなくてはいけません。

結論を言うと、特別な事情がなければ離婚が先(もしくは同時)です。問題は婚姻中に財産を分けることでかかる「贈与税」です。

通常、資産をどちらかに与えるなら贈与税がかかります。少額の場合には“扶養の範囲”とみなされて課税されませんが、夫の不動産売却益の数千万円から半分を(婚姻関係があるうちに)妻に分けたりすると、税金で持っていかれてしまいます。

しかし離婚後の「財産分与」では、これがかかりません。完全に離婚が成立した後は連絡をとるのも面倒かもしれませんが、少しでもコストを抑えるためにはやむを得ないでしょう。

こうして婚姻中に築いた資産を無駄なく分けるためには、離婚が先、という結論になるのです。※贈与税の税率については国税庁公式サイトでご確認ください。

不動産を共有名義で所有している場合はどちらでもいい

不動産を夫婦二人で50%ずつ所有しているなら不動産を先に売却することもできます。仮にこの不動産を売却しても、夫婦の持分に応じて現金を半分ずつわけることができるので初めから財産分与している状態になります。これは贈与とは言わないので、税金もかからないということです。

贈与税の控除額

分与する財産が110万円を下回るなら、贈与税はかかりません。不動産売却では稀有な場面かもしれませんが、例えば夫婦間の持ち分に差があるときなどには参考にしてもらえればと思います。

離婚前のタイミングで行う任意売却

原則的には離婚→不動産売却と紹介しましたが、やはり離婚にともなう売却では住宅ローンの残債が気になります。ローン残債の問題を気にしている人のために、任意売却について紹介します。

任意売却とは

所有不動産の住宅ローン支払いに問題が生じると、ローンを組む時に設定した抵当権が行使され不動産は競売に出されることとなります。しかし競売というのは物件価値のおよそ70%の金額で売買されることになるので、銀行にとっても喜ばしいものではありません。

そこで銀行との協議の元、通常の不動産売却のように不動産会社が仲介し、市場で物件を売却することがあります。これが任意売却です。

離婚前の任意売却

さてここから離婚前に任意売却をするメリットの紹介です。

日程調整がしやすい

もし離婚後に住宅ローンの返済に問題が生じてしまった場合は、突然競売にかけられるリスクが生じます。競売は自分の生活している家でも自分主導ではできないので、日程調整がたいへんです。

基本的に任意売却は通常の不動産売却と同様の手順で進みますので、住宅ローンに関して不安がある人は離婚前に任意売却をすることで問題を小さくできるかもしれません。

金銭の負担が軽い

不動産売却と任意売却の大きな違いに、費用がかからないという点があります。

費用が不要と言っても、払わなくていいというわけではありません。普通不動産売却では仲介手数料のような大きな費用から登記費用のような軽微なものまでいくつもの諸費用がかかりますが、任意売却ではそれを売却代金から支払う事ができるのです。

持ち出し資金を最小限にして取引できるので何かとお金がかかる離婚に伴う不動産売却には適しているかもしれません。

その他の競売に対するメリット

競売になると遅延損害金が発生するかもしれません。利率は14.6%、住宅ローンが払えなくなった後に放置していると、その日数に応じて支払うことになります。任意売却で先に手をうっておくことで、借金がさらに大きくなることを未然に防ぐことに繋がります。

さらに競売になると近所の人に伝わるというのも有名な話です。これは関係する業者が物件を出入りすることが原因です。離婚や競売はあまり世間に知られたくないと思いますので、そういった点でも任意売却の方が良いと言えます。

任意売却の注意点

ただし、任意売却は住宅ローンの支払いに問題が生じていなければなりません。夫婦に一定の財産があり、生活にも余裕があるときには使えないのでご注意ください。

他にも任意売却は金銭的な問題を抱える人に対する救済措置なので、個人信用情報にキズが付きます。10年近くは借り入れがしにくくなる可能性があるので気軽に行えるものではないことを覚えておきましょう。

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