遺産相続と空き家問題、よくある売却・放棄・放置のどれが最適?

最終更新日:2019/07/25

不動産相続の中でもとくに頭を悩ませるのが、空き家です。空き家を手にする機会はダントツで相続が多いのですが、この場合人が住まなかった・売らなかったのには当然訳がある上、手入れがされていないことで状態にも期待がもてません。

ここでは空き家の相続における問題はどんなものがあるのか確認していただき、実際に相続したら放棄すべきか、所有すべきか、それとも売却すべきかを判断できるようになっていただければと思います。

空き家に関する相続問題

さっそく空き家に関して起こりうる問題を紹介していきます。後ほど対策や細かなルールにもふれますので、ご安心ください。

問題のある「負動産」

空き家はもちろん、売却・寄付などが難しい不動産を負動産と呼んだりします。

売りたくても売れない物件、自然災害で壊れれば修繕にお金がかかり、そして持っているだけでも固定資産税がかかる、そしてその空き家のせいで近隣住民に迷惑をかければ損害賠償を支払う可能性さえでてきます。少し大げさな例もありますが、いずれにせよこれが負債のような存在だということがわかります。

管理責任

不動産の相続を放棄しても、他の管理者が見つかるまでは管理責任が生じることが民法で決められています。中でも特に空き家は管理をしていないことで上述のトラブルを引きやすいこともあり、責任を問われる可能性が低くありません。

また空き家を放置してしまうと、それは次の世代に問題を先送りすることになってしまいます。ということで、この問題は自分だけでなく一族単位で生じていることを意識しなくてはいけません。

地方の空き家を相続

空き家問題には、地方には親が残り、子は都会へと移り住む過疎化の問題が関係します。大都市に引っ越した子が親の死後に田舎に帰るとは考えにくく、ますます問題は増えていくかもしれません。

また、不動産を売りたいと考えても居住地から遠いというのは大きな問題だと考える事ができます。

*地方や田舎の空き家相続については「田舎の家を相続する時に考えたい、放棄すべき不動産」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

不動産の流通に問題

空き家を売却しようとしても、市場に需要がないことも問題になります。活発な取引が行われていないどころか、持っているだけで固定資産税がかかるので無償でも引き取りたいという人はほとんどいません。

不動産取引が鈍り、買い手どころか無償の引き取り手すら見つからないような状況です。

共同所有の問題

相続の時、遺産は分割協議によって分けられます。しかしこの話が上手くまとまらずに複数の人で分割することもあるかもしれません。

不動産は複数人が所有している状態では売却や処分をしたいと思っても全員の合意が求められるので大変困難です。しかも所有したまま代々うけつぐことになれば、所有者同士が疎遠、という事態も考えられます。

今後価値がでるかもと所有することにしても、共同名義にはしないことをおすすめします。

空き家の相続放棄

さて続いて空き家の相続放棄について見ていきましょう。

相続放棄とは

遺産相続では、必ずしも相続しなければ行けないわけではありません。

親の借金や売れない空き家などの負の遺産が現預金等を上回れば、プラスの財産も手に入りませんが、相続を放棄することができます。

ただし先程書いた空き家の管理責任については引き続き問題になります。相続放棄したとしても、ご注意ください。

相続人がかわること・撤回できないことに注意

例えば負動産となった空き家の相続を放棄したとしても、相続人が消えるわけではありません。法定相続人は妻、子、父母、そしてきょうだいへと順位付けされていますので、この順で相続人が変わっていきます。最後の被相続人のきょうだいが放棄するまでは相続人が変わっていきますので、気をつけましょう。

また、相続放棄をしたあとに「やっぱりほしい」は通用しません。例え空き家でも、慎重に手続きするといいでしょう。

相続放棄ではなく限定承認

民法の言い回しをそのまま使うと、限定承認とは遺産相続の時に、相続した分を限度として相続することができる制度です。

つまり相続する財産の内訳が明確にわかっていない時やどうしても相続したいものがある時に手続きしておくことで、負債が資産を上回ったとしても、リスクを限定的にできる手段だと言えます。一般的にはこの手続きをしておくことで、あとから債権・債務が見つかった時にも対処することが可能になります。

ただし申請・手続きが煩雑なので気をつけなくてはいけません。

【参考】換価分割

共有名義は全員の承諾や立ち会いが必要になる場合があり、相続以外の場面でも注意されます。

しかし遺産分割協議で名義を誰かに決めてから売却し、売却金額を複数で分け合うと贈与税が発生してしまうことがあります。

そこででてくるのが換価分割で、相続の中で代表者を決めて、不動産を売却・代金を分割することで贈与税の支払い対象から免れることができます。

相続した空き家は取り壊していいのか

空き家をそのままにする理由のひとつに「固定資産税が高くなるから」というものがあります。実際に、更地で保有するといくつかの特例が適用されなくなるので税金が高くなってしまいます。例えば「小規模住宅用地の軽減の特例」では200平米以下の土地を小規模住宅用地として扱い、固定資産税の負担を6分の1にまで軽減しています。

空き家の管理コスト

空き家で売却できない場合、放置した家屋は将来的な解体費を増幅させるかもしれません。また、修繕費や清掃にかかるコストについては先に紹介しましたが、空き家があることは精神的にも負担が生じます。確かに税金は安いすが、管理コストも比較の対象になるのではないでしょうか。

空き家と相続税の注意点

空き家の場合、「小規模宅地等の特例」の適用外になって相続税が割高になることがあります。

適用外になる場合

まずは被相続人(亡くなった人)が生前から空き家として所有していると、適用外になってしまいます。また亡くなって空き家になった場合も同様です。あくまで居住が条件の特例になるので気をつけましょう。

対策としてできること

空き家を売却することも有効な手段になります。

生前に売却してしまえば「3000万円の特別控除」が適用できるので節税になります。
*特別控除については「事情が違えば支払う税金も変わる?不動産売却で使える特別控除とは」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

2015年の空き家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法 )によって没後に売却することでも節税ができるようになりました。現行の耐震基準にリフォームしていることなど適用要件は厳しいですが、控除の対象になり節税が期待できます。

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