住み替え・買い替えが伴う時に使える税金対策

最終更新日:2019/07/18

不動産売却は、大抵が何かのきっかけに伴って行われます。

今回はそんなきっかけに伴う住み替えと税金について紹介していきます。新しい物件を同時に購入するということでいくつか優遇されていますので、確認していきましょう。

住み替え・買い替えとは

まずは住み替えと買い替えの定義について確認しましょう。

住み替えとは

単純に居住地を変更することを指しています。ここでは結婚や出産、進学や転職など、人生の節目や転機に伴った不動産売却として扱います。

買い替えとは

買い替えについては、不動産の「売却」と「購入」を同時に行うことをいいます。

双方の違いは厳密にはありませんが、特に生活に関するものを住み替え、不動産売買に関するものを買い替えと呼んで説明をしていきます。

不動産売却(住み替え)の時に使える特例

それでは早速、住替えの時に納税額を少なくできる特例について紹介していきます。以下、併用のできない特例になりますので、実際に使うときにはいずれかを選択することになります。売却額や適用できる期間によって変わりますので、適宜確認してください。

買い替え特例

まずは買い替え特例です。正式には特定の居住用財産の買換えの特例といい、国税庁のホームページで細かな要件などを確認することができます。

買い替え特例とは、一言で言うと、不動産を売って儲けが出た時に、その場では課税せず、将来、買い替えたその家を売却する時の結果と相殺することができるという制度です。

国税庁のサイトでは、1000万円で買った家を5000万円で売却、7000万円の家に買い替えたケースを紹介しています。

この例では売却の時点ででた利益は4000万円ですが、これがこの時点では課税されないことになります。

次の売却でも利益がでてしまえば単に合算しなくてはいけませんが、7000万円の不動産が3000万円で売れた時は、利益の4000万円と損失の4000万円を相殺できることになります。※本来は費用なども計算には含めますが、話を単純にするために割愛しています。

自宅として購入する不動産は投資用のものと違い売買差益を意識していません。この制度は、「もし利益がでてしまっても投資用不動産より負担を少なくすべき」という考えに基づき、減税されているのです。

売った金額より買い替えた金額の方が小さい時

上記のうち、売却不動産の代金よりも購入不動産の金額が小さい時、譲渡所得の計算が変わります。まずは通常は売却代金で計算するところを、購入代金を差し引いて計算することができます。

収入金額=(売却代金-購入代金)

しかし取得費と諸経費の計算については、差額の割合だけ小さくなります。

必要経費=(取得費+諸経費)×(差額÷売った金額)
譲渡所得=収入金額-必要経費

最終的には上記のような計算になります。少し複雑ですが、式に当てはめるだけで所得の計算ができますので、該当する方はぜひご活用ください。

3000万円特別控除の特例

こちらは住み替え・買い替えに限定した特例ではありませんが、不動産の売却で譲渡益が出た時に利用できます。

まず不動産売却益とそれにかかる税金は以下の計算式で算出されます。

課税譲渡所得=不動産の売却代金-(取得費+譲渡費用)
課税譲渡所得×税率

さて3000万円の特例ですが、いくつかの要件を満たすことで

(課税譲渡所得-3000万円)×税率

として計算することができます。

譲渡損失がでている場合

買い替えの伴う不動産売却では一定の要件を満たすことで使える「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」というものがあります。

先程の計算で売却代金が取得費・譲渡費用の合計を下回ると、「譲渡損失」を申告することができます。これで得られるメリットは、所得税の圧縮になります。以下、適用されるための要件を見ていきましょう。

売却する不動産に関する要件

・2019年12月31日までに売却すること。

・不動産の所有期間が5年以上の長期所有のマイホーム(居住用、過去に住んでいたなら住まなくなってから3年以内)であること

・不動産の敷地面積が500平米以内の部分に関する譲渡損失であること

購入する不動産に関する要件

・売却した年を基準に、前年の12月31日~翌年の12月31日までに購入した物件であること

・取得年の翌年の12月31日までに入居すること(見込みも可)

・住宅ローン(10年以上)であること

・50平米以上であること

これを満たせば、まずは売却した年の所得と相殺(譲渡損失の繰越控除)でき、さらに向こう3年間に渡って所得との相殺ができます。以下、イメージしやすいように簡易的な例を用意しました。

所得が500万円、譲渡損失が1000万円の場合

売却した年:400万円-1500万円・・・繰延控除額 1100万円
2年目:400万円-1100万円・・・繰延控除額 700万円
3年目:400万円-700万円・・・繰延控除額 300万円
4年目:400万円-300万円・・・課税所得 100万円

このように4年間にわたって相殺することができます。

こちらは買い替えの場合に使える特例でしたが、他にも「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という住宅ローンにかかわる要件を満たすことで使える特例があるので、住み替え以外の方も参考にしてみてください。

住宅ローン控除と併用できる・できない特例

住宅ローン控除とは

まずは住宅ローン控除について確認しましょう。

住宅ローン控除は、要件を満たすことで10年間にわたって所得税から一定額の控除を受けられる特例になります。

10年以上のローンを組んで自宅を購入していることなどの要件や、1年間でローン残高のうち1%まで・残高上限は4000万円までなどの条件があります。また、会社員などは年末調整によって税金が給与から天引きされているため忘れてしまいがちですが、適用をうけるにはきちんと確定申告をしなくてはいけません。

*年末調整については「サラリーマンでも自分で申告?不動産売却と年末調整について」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

購入時の特例、住宅ローン控除と併用

さてここでの本題、併用についてですが、以下の特例と併用はできるのでしょうか。

買い替え特例
3,000万円の特別控除
不動産売却は所有年数が10年を超えている時に適用できる軽減税率

結論をいうと、譲渡所得があれば併用できず、なければ併用が可能になります。ただしあくまで課税所得からの控除なので、他に所得がなせればいけません。ご注意ください。

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