不動産売却にかかる税金計算はどうやる?譲渡所得税の計算方法や計算例をご紹介

最終更新日:2020/07/15

不動産を売却することで税金がいくらかかるのか、あらかじめ計算しておくことは大切です。重要なのは「正確に計算をする」というより「事前になんとなくの納税額を把握しておく」こと。

ここでは、不動産売却にかかる税金の計算についてご紹介します。計算のことは税理士事務所や税務署の窓口に行けば相談できますが、そういった手間をかけずにご自身で計算できないものなのか、見ていきましょう。

不動産売却ので計算すべき税金は?

まずは不動産売却でかかる税金について見ていきます。どのような税金が、いくらくらいかかるのか確認しましょう。

不動産売却でかかる税金の一覧

・所得税
・住民税
・復興特別所得税
・登録免許税(登記手続きにかかる手数料)
・印紙税(契約書類に貼付する印紙代)

不動産を売却して生じた所得は譲渡所得という所得に分類されます。譲渡所得に応じてかかるのが、所得税・住民税・復興特別所得税です。これらをまとめて「譲渡所得税」といい、不動産を売却した場合に、もっとも大きな金額となることが多いです。

したがって、不動産を売却してかかる税金を考える際は「譲渡所得税がいくらになるのか」を計算することが大切です。以降では、譲渡所得税の計算について詳しくご紹介していきます。

不動産売却でかかる税金の計算方法は?

ここでは、譲渡所得税の計算について見ていきます。計算式だけでなく、所有期間に応じた税率の違いや税負担を軽くできる特別控除についてもご紹介します。

譲渡所得の計算式

まずは基本の譲渡所得の計算です。譲渡所得は土地や建物などを譲渡することによって手にする所得のことで、以下の計算式で算出します。

売却価額 – (取得費 + 譲渡費用)= 譲渡所得

不動産の所有期間に応じた譲渡所得税率の違い

不動産は所有期間によって譲渡所得にかかる税金がちがいます。不動産を売却した年の1月1日の時点で5年を経過していれば長期譲渡所得、経過していなければ短期譲渡所得となり、以下のように税率が異なります。

◯所有期間に応じた税率表

所得税 復興特別所得税 住民税
短期譲渡所得 30% 0.63% 9%
長期譲渡所得 15% 0.315% 5%

不動産を売却して譲渡所得がある場合は、所有期間によって税額が大きく違います。事前に不動産の取得日を確認しておきましょう。

譲渡所得の特別控除

譲渡所得税は、譲渡所得に税率を乗じて計算しますが、一定の要件を満たすことで特例を適用して税負担を軽くすることができます。不動産売却に関する特例には多くの種類があるので、見ていきましょう。

■居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームを譲渡した場合、一定の要件を満たすことで、最大で3,000万円の控除を受けることができます。最大3,000万円なので、それ以下の譲渡所得に対しては課税はされません。ご所有の不動産を売却する場合には、この3,000万円の特別控除を適用できることが多いので、初めに確認しておいてもいいでしょう。

◯適用条件
1.自分が住んでいる家であること。もし過去に住んでいた物件なら3年以内、さらに物件取り壊したなら1年以内に活用していないことが条件になります。
2.売却の前々年までに同一の特例を受けていないこと・譲渡損失にかかる特例と併用していないこと、その他特例との併用ができないかもしれないので、すでに受けている場合は適宜確認しましょう。
3.親子間、夫婦間での売買でないこと。

※国税庁の公式サイトで詳細に適用条件を記述していますが、わかりにくい部分があります。ここでは多少省略してしまう部分もありますが、それぞれ全体像がつかみやすいようにご紹介しています。

■収用などの事由による特例
公共事業などのために土地や建物を売却しなくてはいけない場合、最大で5000万円の特別控除が使えることがあります。

◯適用条件
1.収用に伴う不動産売却で代わりの資産を取得した場合、課税に関する特例を受けていないこと
2.買取依頼から6ヶ月以内の売却
3.最初に買取の申し出を受けた人であること

■「特定土地区画整理事業等」に関する特例
特定土地区画整理事業等というと漢字の羅列で大変わかりにくいですが、自治体が公立の小中学校や公営住宅を建設するときなどに伴う区画整理のことを指しています。この影響で土地を売却することになれば、要件を満たすことで、最高で2,000万円までの控除を受けられることになります。

■「特定住宅地造成事業等」に関する特例
「特定住宅地造成事業等」における土地というのは、要するに住宅建設・宅地造成のために買い取られる土地のことだと考えることができます。これによる売却(買取)かどうかを判断するには詳細にルールが定められているのでここでは扱いませんが、認められる場合には最大1500万円の特別控除を受けることができます。

■「平成21年及び平成22年取得の土地」に関する特例
2008年(平成20年)にリーマンショックが起こり不動産の価値が暴落したことでできたのがこの特例です。投機的な取引とは判断されない長期譲渡所得にのみ適用できますが、最大で1,000万円の減税が可能になります。

■損益通算
不動産売却では「譲渡損失」が出たときでも確定申告を行うことで他の税金で優遇される措置があります。
不動産売却で譲渡損失がでているということは、当然所得税・住民税が加算されることはありません。しかし、一定の要件を満たすことでこのマイナス分でその年の他の所得を減算することができる特例があるので、結果として所得税・住民税を減らすことができます。損益を合算して納税できるこの仕組みを「損益通算」といいます。

■譲渡損失の繰越控除
損益通算でその他所得と相殺しきれなかった分は、翌年以降3年にわたって、計4年間の税負担を軽減することができます。これが「譲渡損失の繰越控除」です。例えば、2,000万円で取得した不動産が1,000万円で売れたとき(経費込)、1,000万円分を他の課税所得と相殺できることになります。

なお、これらの特例を適用するには、確定申告が必要です。確定申告は、1/1~12/31に行われた不動産売却による譲渡所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日の間で行いますので、覚えておくといいでしょう。

不動産売却にかかる税金の計算例

具体的な数字を使って、譲渡所得税の計算例をご紹介します。

短期・長期譲渡所得の計算例

譲渡所得4,000万円の不動産で考えてみます。

◯短期譲渡所得の場合

4,000万円 × 30% = 1,200万円
1,200万円 × 2.1% = 25.2万
4,000万円 × 9% = 360万円

(短期)譲渡所得税 1585.2万円

◯長期譲渡所得の場合

4,000万円 × 15% = 600万円
600万円 × 2.1% = 12.6万
4,000万円 × 5% = 200万円

(短期)譲渡所得税 812.6万円

実際は控除等を勘案することになるのでこのままの計算式にはならないかもしれません。しかし、物件の所有期間で納税額が大きく変わることがわかります。これらは一定の金額を課すことで投機的な物件売買を抑制するための制度ですが、一般の家庭が不動産売却をする場合にも適用されるので気をつけましょう。

不動産売却での税金計算シミュレーション

不動産売却での譲渡所得にかかる税金は、ご自身で計算することもできますが、インターネット上で提供されているツールなどを使ってもいいかもしれません。

税金計算のシミュレーションツール

このシミュレーションツールを使えば、ご自身の売却価額などを入力していくだけで概算の譲渡所得税額がわかります。仲介手数料を入力する箇所もありますが、手数料は一般的に代金の3%ほどです。ただし不動産会社ごとに違いもあるので、確認しても良いかもしれません。

不動産売却の税金相談は誰にする?

これから不動産を売却するなら、まずはどのくらいで売れるのか査定してもらう必要があります。不計算で迷ったら、査定を依頼した不動産会社に譲渡所得額を試算してもらえるので、相談してみましょう。

その他、税金の種類に応じて自治体の窓口や税理士、司法書士にも相談できます。しかし不動産の総合窓口として、まずは不動産会社に聞いてみるといいでしょう。

不動産売却の売却後に大きな税負担があることを心配される方も多いですが、実際には利益がある時にのみ課税がされます。これから不動産を売却される方は、不動産会社に相談するところから初めましょう。また、不動産会社がわからない方は、以下の一括査定を使うとご自身の物件を高く売れる不動産会社をみつけられるかもしれませんので、活用してみてください。

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