相続不動産の売却にかかる税金は?相続した土地の税金や相続税について

最終更新日:2020/02/21

使う予定のない不動産を相続するなら、納める税金はできるだけ少なく・得られる利益はできるだけ大きくしたいはずです。もし放っておくと、固定資産税や管理費用がかかって負担になります。したがって不動産売却というのが有力な選択肢だと言えます。

ここでは相続した不動産を売却した場合、どのくらいの税金がかかるのか、また節税はどのくらいできるのかをご紹介します。売却するか迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

相続不動産の売却にかかる税金と相続後の税金対策

まずは相続した不動産を売却した時にかかる税金にはどんなものがあるのか、確認していきます。
売却で生じた利益のことを譲渡所得といいます。不動産売却では、“損失がでてさらに納税する”ということはもちろんなく、利益がでた場合にのみ課税されることになります。

「不動産を売った時の金額」から「買った時の金額・かかった費用」を引いて計算した金額が譲渡所得です。通常は自分で不動産を購入した時の書類を用意すればかかった費用などを確認できるので、譲渡所得を計算するのはそこまで難しくありません。
しかし相続の時は、取得時の状況がわからないという問題があります。そんな時はどうすべきなのでしょうか。

相続した不動産を売却した場合は譲渡所得に税金がかかる

不動産売却で得た譲渡所得には所得税率と住民税率をあわせた税金を納めなければなりません。しかし譲渡所得にはさまざまな特例があるので後に詳しくご紹介します。

譲渡所得には特例が適用できることも

相続不動産の売却では、相続した本人がその不動産に住んでいるかどうかで、所得に対して使える特例が変わります。本人が住んでいるなら、居住用財産として扱われるので、

  • 3000万円特別控除
  • 10年超所有の場合の軽減税率
  • 特定居住用財産の買い替え
  • 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
  • マイホーム買い替え時の譲渡損失の繰越控除

などさまざまな特例が適用されます。ご自身の状況に応じて、該当するものを確認しておくといいでしょう。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

居住用の不動産を売却した場合は、3000万円特別控除というものがあります。相続の時も適用される場合があり、例えば相続の直前まで親が一人暮らしをしていた不動産などは一定の条件を満たすことで3000万円特別控除の対象になもします。

これら特例を受けるには売却後の確定申告が必要になります。空き家の場合は別途、「被相続人居住用家屋等確認書」という書類をもって居住状況や用途を証明する必要があるので、確認しておくといいでしょう。

不動産売却にかかる相続税とその税金対策

不動産売却にかかる税金の対策は常に意識されているかもしれませんが、ここでは相続に関連する節税・税金対策を紹介します。相続不動産についても細かな要件が多いので、大まかな確認にお役立ていただきたいと思います。

売却によって相続税の節税はできない

相続不動産を売却したことによって取得時にかかる「相続税」を小さくすることはできません。ただし、支払った相続税をきちんと把握できれば、次でご紹介する特例を適用できることがあります。

なお、相続した土地については、「小規模宅地等の特例」が使えます。ざっくりとご紹介すると、これは相続した土地において330平米まで、評価額が80%減額、つまり20%になるという特例です。適用は、土地所有者が被相続人(親など)と同居していて、相続税の申告期限まで住み続けることが基本的な条件になります。

3年以内の売却で取得費加算の特例が使える

不動産を売却した時の利益に相当するのが「譲渡所得」です。譲渡所得は「売却価額」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算します。

相続した不動産の場合は、相続時に相続税を支払うことになりますが、この一部を取得費に加算することができます。相続した日の翌日から3年10カ月以内に、財産を取得し、相続税を支払った本人が売却することが条件ですが、これを満たすと譲渡所得を圧縮することができます

相続した不動産売却の税金に関する取得費の計算方法は?

相続した不動産の取得費については、何を費用に含むことができるかであったりいつを取得日とするかであったり、いくつか注意点があります。確認しましょう。

取得費は被相続人(亡くなった人)が取得した時の金額

親(被相続人)から相続した不動産の場合は、親がその不動産を購入した時の金額を購入額として扱います。もし取得費がわからないなら、売却価額の5%を取得費として扱います。

不動産売却ではいつ取得したのかによって税率が違う

不動産売却にかかる税金は投機的な売買の抑制のため、5年を境に税率が変わることで知られています。5年以内の短期譲渡では39%、5年を超える長期譲渡なら20%の税率を譲渡所得にかけて計算を行います。そこで問題になるのは、相続した不動産を取得したタイミングです。

親(被相続人・亡くなった人)の取得日

相続不動産については、親が不動産を取得したタイミングを取得日(時期)とします。このため、相続してから間がなくても、長期譲渡として低い税率となることも十分に考えられます。

取得費に含む費用

相続不動産を売却する際は、不動産会社へ支払う仲介手数料なども取得費となります。ここで相続では特に生じやすい費用についてご紹介します。

取壊し費用 – 老朽化した建物のついた土地を購入して、およそ1年以内に取り壊しをするなどして初めから土地として使用する目的だったことがわかる場合には、その取壊し費用を取得費とすることができます。

測量費 – 土地の相続では、購入当時の書類がないことや境界が確定していないことに起因して、どこまでが相続した土地なのかを明確にしなくてはならないことがあります。これが「測量費」です。数十万以上と、比較的高額な費用ではありますが、取得費として計上することができます。

相続した不動産売却の税金を確定申告しましょう

相続した不動産を売却し、儲けが出た場合は税務署へ確定申告をしなければいけません。ここでは不動産売却の確定申告の必要性とその方法についてご紹介します。

不動産の譲渡所得があれば確定申告は必要

一般的な会社員による不動産売却の譲渡所得は、給与とは別に申請をして支払うことになります。
各種控除を含む納税額はこの所得の申告によって計算されます。確定申告の期間は、「売却の翌年の2月16日から3月15日まで」となっているので、忘れないようにしましょう。なお、実際の支払い(納税)は申告後に届く納付書を通して行うことになります。

ここまでご覧いただき、相続した不動産を売却する時の税金対策の複雑さが目立ってしまったかもしれません。国や自治体の制度も時代にあわせて変化しており、現在も変わり続けている印象があります。細かな確認は税理士などの専門家に任せるという選択もできますので、当記事はあくまで予備知識として活かしていただければと思います。

確定申告の方法は?

不動産売却の確定申告には、確定申告書のほかに不動産売買の契約書や領収書など不動産売却に関する添付書類も準備する必要があります。

不動産売却における相続財産管理人と税金対策

相続人がいない場合には、相続した不動産について「相続財産管理人」に売却を一任する場合があります。ご自身が相続されている場合にはあまり関係ないことです。しかし相続させる側にとっては気になる点もあるかもしれないので、見ていきます。

相続人がいない場合には相続財産管理人を任命する

不動産に限らず相続財産は通常、相続する人が管理します。しかし相続人が誰もいない場合や、すべての相続人が財産を放棄する場合があります。この場合には、財産は国のものとなるのですが、自動的にそうなるわけではありません。そこで遺産を管理する人として任命されるのが、相続財産管理人です。

相続財産管理人が不動産を売却するとはどういうことか

亡くなった人(被相続人)の特別縁故者(相続人以外で生計を同じくしていた人など)やお金を貸している人などは、不動産を精算して、弁済を進めることがあります。
事案によって大きく異なりますので深くはご紹介しませんが、相続財産管理人になる手続きや不動産を売却する手続きには色々な手間がかかります。もし該当する方は、税理士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

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