税制で優遇されている生産緑地は売却すべきか

最終更新日:2019/07/31

環境保全などの観点から市街地でも農業が行われている地域があり、そこは生産緑地などと呼ばれていることもあります。ここでは生産緑地とは何か、そして不動産売買ではどんな扱いなのか紹介していきます。

もし生産緑地を所有していて、かつ売却を検討しているなら、どのようなことを押さえておくといいいのでしょうか?

生産緑地地区と生産緑地

まずは生産緑地地区とは何か確認して行きましょう。

生産緑地法による生産緑地地区

生産緑地地区は生産緑地法によって定められており、暮らしと農林業や漁業の調和のための地域地区のことを言います。具体的には市街化区域にある土地の中でも決められた要件を満たしているものが管轄の自治体によって指定され、生産緑地地区になります。

生産緑地

生産緑地という言葉もよく使われますが、上記精度でしていされた農地や森林のことを生産緑地と呼びます。

*市街化区域については「開発が抑制される「市街調整区域」における不動産の特徴とは?」で詳しくまとめているので、ご参照ください。

生産緑地は原則として農地や森林以外に転用することができないという特徴がありますが、一方で税負担が軽いというメリットもあります。

生産緑地には優遇措置がある?

続いて、生産緑地を売却すべきか所有し続けるべきかを決めるために、所有するメリットについて紹介します。

税金面での優遇措置

初めにも税金面での負担が軽いことには触れましたが、生産緑地では、特に固定資産税や相続税の負担が少なく済みます。

何と比べて負担が低いのか、というと市街化区域内にある農地は市街化区域の評価基準で固定資産税を決定しするため本来は“宅地並みの金額”の負担が必要なところ、生産緑地に指定されることで、固定資産税は1/100程度まで小さくなるのです。

相続税も同じように市街化区域内の同様の宅地を元に評価をされて“本来なら高額な負担を強いられる”ところを、生産緑地に指定されることで(後述する支払猶予という形で)大部分の負担を軽くすることができます。

生産緑地における納税猶予の特例

相続税の猶予、というのは代々農業が続いていくことを目的として制度になります。このため農業経営をやめてしまったり、譲渡や転用があれば納税猶予が打ち切られてしまいます。

※制度の詳しい内容については国税庁が資料を発表しています。

生産緑地と2022年問題

2022年問題というのは、生産緑地が1992年に制定されたこと・生産緑地への指定を告示された日から30年が経過すると生産緑地を自治体に買い取らせることができるということに起因するものです。自治体に申し出ると時価で買い取ってくれるので、「初めて30年が経過する2022年に農家が一斉に買取を申請したら・・・」というのがリスクとされています。

今後は買い取られた土地を宅地として売られていくことも予想されており、ハウスメーカーの動きも活発になってきています。

生産緑地は売却できる?

さて生産緑地についてはわかりましたが、もし所有しているなら、売却はできるのでしょうか?売却の可否と売却までの流れを見ていきましょう。

生産緑地は売却できるがタイミングが重要

生産緑地は売却が可能ですが、「いつするのか」というのが重要になります。

生産緑地には優遇措置がいくつかありましたが、相続税の猶予については売却してしまうと支払い義務が生じてしまいます。また、2022年の買取についても検討する必要があります。多くの農家が一気に売却することで市場価値がおちてしまうのか、判断が難しいところです。

制度上、どのタイミングで売却するのかによって売買代金は大きく変わるので、注意しましょう。

生産緑地の解除・宅地として売却

生産緑地はメリットもありますが、制限事項が多く扱いが難しくなります。そこで生産緑地の解除をしてしまい、農地を宅地へと変更する方法が考えられます。

先程紹介した30年経過以外に農業等の主たる従事者が故障などで運営できなくなると生産緑地の解除ができます。生産緑地を解除して宅地として売却できれば通常の不動産売却と同様で、市場価値で判断されることになります。

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