本人以外による不動産売却で注意したい「委任状」と「代理人」

最終更新日:2019/07/10

不動産売却の売却では、所有者本人が売却手続きをできないとき、代理人に委任することがあります。しかし原則的には、所有者本人が売却を行わなくてはいけないことになっています。このため代理人を立てるには細かな取り決めが存在しており、また、代理人との間でトラブルを起こさないためにも配慮しなくてはいけません。

そこで今回は意外と侮ることのできない不動産売却の「委任状」について紹介します。注意点や委任状の役割、また代理人にできること・できないことを正しく把握して、不動産売却を問題なく任せられるよう、確認していきましょう。

不動産売却における委任状

そもそも委任状はどのようなもので・どんなときに必要で・どのように使われるのでしょうか?委任状の記載事項や扱いに関して必要になる場面についても詳しく見てまいりましょう。

1.委任状

不動産売却における委任とは、売却に関する行為を第三者(代理人)にまかせることをいいます。基本的には代理人に任せる範囲を定めた「委任状」をもって正式に委託することになります。委任すると代理人は所有者にかわって不動産売却に関わる意思表示をすることができ、その行為は所有者本人が行ったものと同じ扱いになります。

2.委任が必要なシチュエーション

先に述べたように原則として不動産売却は所有者本人によって行わなければいけないので、不動産売却で委任が必要なシーンは限られています。そのためいくつかのパターンがあるので、見てまいりましょう。

相続などにより物件や不動産会社が遠方にある

不動産を相続した場合、現住所から物件の所在地が離れていることがあります。海外に住んでいる場合などはなおさら、自分で物件を売却することは難しいかもしれません。

また、高齢などの理由で長距離の移動が困難な場合も考えられます。いずれにしても、距離・移動の問題で、物件の売却に立ち会うことができない時、代理人に委任することになります。

手続きができない、もしくは不安がある

物件の売却に不安があるとき、他に問題がなくても司法書士などに委託する場合が考えられます。不動産売却は行う手続きや契約が複雑なので、自分で行うのが困難な人も居ます。そういった場合にも代理人を立てることはできるので、覚えておくと良いかもしれません。

また不動産売却は長期にわたり、やるべきこともたくさんあるので、仕事であったり病気などの療養であったり、時間をとることが難しい人も居ます。その他、相続などで所有者が未成年の場合にも代理人が契約を行うこともあります。

共有名義

一つの物件を複数人で所有する「共有名義の不動産」の売却でも代表者や代理人をたてることがあります。単独で所有している場合とは少しことなる事情があることも多いので、紹介しておきます。

相続によるもの

兄弟がいる場合などには、相続した物件が共有名義になることがあります。共有名義の不動産の売却では、過半数ではなく名義人全員の同意がなければ売却ができないので、手続きが複雑になりがちです。

離婚によるもの

通常、共同名義の不動産売却では、所有者全員の立ち会いが求められます。そのため、離婚によって相手と顔を合わせたくない場合に代理人に委託することがあります。手続きは大変ですが、それでも顔を合わせずに売却を進めたいという人が代理人を立てるようです。

委任状の作成

不動産売却では、売却を依頼した不動産会社が委任状を作成してくれます。もちろん所有者との話し合いを汲んでされ、署名捺印の際には内容の確認もできるので安心して委任することができます。仮に委任状に記載の内容の誤りにあとから気づいても契約は履行されてしまいますので、確認はしっかりと行わなくてはいけません。

3.委任状に記載する項目

委任状に記載すべき情報は決まっています。また、合わせて用意すべき書類もありますので、まとめて確認しましょう。

本人・代理人に関する記載項目

・物件所有者の住所、氏名
・実印
・代理人の住所、氏名 など

委任の権限に関する記載項目

・委任についての権限
・契約(媒介契約・売買契約)に関する権限
・金銭(売買代金・手付金)に関する権限 など

物件に関する記載項目

・所在
・面積
・構造 など

記載する項目については、あくまで参考です。特に委任範囲に関することは記入する項目が細かく設定されるはずです。個別のケースによって変わりますので、適宜確認しましょう。

委任状については不動産会社に相談

これまで委任状に関して紹介してまいりましたが、これらはまるっと不動産会社に相談すると不安なく進めることができます。どこの不動産会社に頼むか決まっていなければ、当サイトでは一括査定サイトをおすすめしています。

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不動産売却における代理人

1.不動産売却における代理人

代理人に関して大きく「法定代理人・任意代理人・復代理人」の3つに分類することができます。以下、紹介してまいります。

法定代理人

文字通り、法律に定めのある代理人のことを指します。不動産の所有者が、未成年の場合には親権者・親権者の居ない未成年なら未成年後見人・精神上の障害などで家庭裁判所から審判をうけているなら成年被後見人が法定代理人になります。

本人の意思にもとづかない代理なので、委任状を介しません。

任意代理人

法定代理以外は任意代理人に該当します。今回のテーマで登場する代理人はこちらに該当し、誰でもなることが可能です。任意代理人は「本当に代理人なのか」「詐欺ではないのか」など常に信用が問われます。このため大抵は、専門家など信用できる人物が委任される傾向にあります。

復代理人

代理人がもつ権限でさらに別の代理人に委託すると、その代理人は復代理人と呼ばれます。

2.不動産売却における代理

不動産売却のみならず、代理人が委任状によって取り決められた権限をこえた行為を行った場合、契約が有効かどうかにも影響がでてくるので確認しておきましょう。なお、法律用語が多々でてくるところなので、噛み砕いて解説していきます。

無権代理

はじめから代理権を持ってない人による行為や委任範囲を超えた行為を無権代理と言います。代理人の行為は、不動産所有者の行為と同じものとしてみなしますが、無権代理ではもちろん、契約は無効になります。したがって、所有者の希望とは異なる取引をしたり損害賠償を被るようなことがあったりしてもすべて無効になります。

原則は無効でも、所有者が納得・了承することで無権代理人が行った取引を有効にすることができます。無権代理人による契約でも、必ずしも悪いことだけではないので知っておくと役に立つかもしれません。

表見代理

無権代理は、売買で不備があると無効にできる「売り手のため」のものでした。一方、表見代理は購入者を守るためにあります。具体的には、無権代理があたかも本当であるようにみせたり、委任範囲を超えた行為であることを購入者が知らなかったりすると、契約の有効性が認められることがあります。こういった購入者があざむかれる代理を表見代理といい、損害賠償は所有者側に生じてしまいます。

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