住宅ローンの返済が困難な時に考える任意売却のメリット・デメリット

住宅ローンを組むとき、おそらくほとんどの人が物件を担保に融資を受ける抵当権を設定しています。後ほど紹介しますが、住宅ローンの支払いに問題が生じた時に抵当権は行使され、金融機関が物件を競売にかけて現金化していくのが通常の流れになります。

今回扱う任意売却は、住宅ローンの返済に問題が生じてしまった時でも競売にかけることなく、“市場で売却する手段”になります。どのような要件で使えるのか、またどんなメリット・デメリット見ていきましょう。

任意売却とは

さっそくですが任意売却とは、抵当権をもつ金融機関などの債権者が、競売のデメリットを考慮し、不動産会社に通常の不動産取引のように仲介をしてもらい市場で物件を売却することをいいます。

確認ですが、任意売却になる物件には問題がありません。問題が生じているのはあくまで住宅ローンなので、市場では問題なく取引されます。

抵当権とは

抵当権は、万一住宅ローンを借りた人が返済できなくなった時に不動産を担保とする(売って債務を回収できる)権利のことをいいます。抵当権者(抵当権をもつ債権者)は競売などにおいて、他にお金を貸している人がいても優先されるのも特徴です。

任意売却のメリット・デメリット

任意売却は良い点と悪い点が、債権者(金融機関など)と債務者(ローンを組んでる人)の双方にあります。ということで、それぞれ4つのパターンに分けてみましたので、ご覧ください。

金融機関等にとってのメリット

そもそも競売は、債権者が申し立てを行ってから裁判所がそれを受理し、さらに競売開催の特別送達(通知)が債務者に届き、そこから調査がはじまって、その後もいくつものプロセスがあって長い場合では1年以上もかかると言われています。しかも取引価格は市場価格の7割にとどまると言われ、あまりメリットがありません。

対して任意売却では通常の不動産売却と同等の手続きなので、目安で半年程度、金額も市場の流通価格で売買をされることになり、大きなメリットだと言えます。

金融機関等にとってのデメリット

抵当権の抹消をすることになるので、相応のリスクが生じます。また物件をいくらで売り出すかなど交渉が行われること自体もデメリットになるかもしれません。

住宅ローンを組んでいる人のメリット

競売よりも高く売れるということは、返済すべき借金の金額が少なくなることを意味します。他にも競売では裁判所などさまざまな人が物件を調査・出入りするため周囲の人に知られてしまうことになります。しかし任意売却は通常の売却とおなじように進むので、そういった心配は必要ありません。

加えて、持ち出し金が不要なことも利点といえます。不動産売却では売買にかかる様々な経費を別途支払わなくてはいけません。一方で任意売却は物件が売れたお金で経費を支払うことができるので、住宅ローンの返済ができなくなったという事情でも、負担が少なく済みます。

住宅ローンを組んでいる人のデメリット

自分で気軽に始められるものではない点があります。債権者の同意を得なければできなかったり、返済が困難なことが証明できなかったり、決して敷居の低い手続きではありません。いつ競売になってもおかしくありませんので、気をつけましょう。

また、身近な人に迷惑をかけてしまいます。特に連帯保証人には直接請求がいってしまうので、仮に任意売却を取り付けられても問題がないとはいえません。

さらに債務の滞りは、信用情報にキズを付けることにほかなりません。不動産のローンだけでなく、その後の融資全般でお金を借りにくくなるので、覚えておきましょう。

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