土地売却でかかる費用とは?手数料・税金など要チェックの3つの費用
- 2019.06.18
- 土地売却
本ホームページでは実際の多くの場合と同様に、土地売却の流れで、宅地建物取引業者(いわゆる「不動産屋さん」のことです。)を利用することを前提としています。
その場合、土地の売却にかかる費用は、以下の3つになります。
(1)契約書に貼る収入印紙
(2)仲介手数料
(3)売却するための準備に係る費用
土地売却後の税金も売却にかかる費用と言えますが、それは別のタイトルで説明させていただきますのでここでは省きます。
(1)収入印紙
土地売却を含む不動産の譲渡に関する契約書には、収入印紙を貼らなくてはなりません。
収入印紙は、郵便局やコンビニで買うことができます。
印紙の額は売買価格によって決まりますが、高額な取引になるほど高くなります。
高額な印紙が必要な場合は、郵便局に行った方がよいでしょう。
また、法律によって一定期間減税になることがあります。
実際の土地売却の場面では、本ホームページをご覧の皆様が具体的な印紙の額について知っている必要はないでしょう。
多くの場合、土地売却のパートナーである宅地建物取引業者が伝えてくれるからです。
印紙の額を確認したら、事前に購入し契約締結の場所に持って行きましょう。
ちなみに土地売却の契約書に貼る収入印紙は、契約書作成にかかる費用となります。
民法では、書類作成にかかる費用は当事者で割り勘にするとなっていますし、実際の土地売却でも多くの場合は割り勘です。
本ホームページをご覧の皆様が、土地売却の売主として収入印紙を購入しているとき、買主もまた同額の収入印紙を購入しています。
(2)仲介手数料
土地の売却に係る費用のメインと言っても良いでしょう。
土地売却の契約が成立したことに対して、報酬としてパートナーの宅地建物取引業者に支払う手数料です。
仲介手数料は成功報酬です。
従って、「土地売却の契約が成立」しなければ宅地建物取引業者に仲介手数料を請求する権利は発生しませんし、売主にも支払いの義務は生じません。
上記の通り、仲介手数料に関する権利や義務が発生するポイントは、「土地売却の契約が成立」したかどうかになります。
有効な土地売却の契約が成立すると、その後何らかのトラブルにより所有権の移転や売買代金の受領が出来なくなっても、仲介手数料に関する権利や義務は消滅しません。
つまり、売主として売買代金を受領することができなくなっても(土地の権利は残りますが)、宅地建物取引業者から仲介手数料を請求されたら、支払いに応じなければならない義務があります(売買代金の受領と所有権移転が出来なくなった原因が、パートナーの宅地建物取引業者にあれば、損害賠償請求権と仲介手数料の支払い義務を相殺できるかもしれませんが)。
仲介手数料の額は、売買価格によって上限が決定します。
「売買価格×3%+6万円」(別途消費税)
という仲介手数料の計算式をご覧になったことがあるかもしれません。
正確には、仲介手数料の上限の計算式には、売買価格に応じて以下の3段階あります。
1・売買価格の200万円以下の部分、売買価格の5%(別途消費税)
2・売買価格が200万円超、400万円以下の部分、売買価格の4%(別途消費税)
3・売買価格が400万円超の部分、売買価格の3%(別途消費税)
例えば、売買価格が1000万円の土地の場合、仲介手数料の上限の計算は、
1・200万円までの部分×5%=100,000円
2・200万円超から400万円以下の部分(200万円)×4%=80,000円
3・400万円超の部分(600万円)×3%=180,000円
1・2・3の合計額=360,000円(別途消費税)
となります。
上記の計算を簡易にしたものが「売買価格×3%+6万円」(別途消費税)となります。
尚、売買価格が、200万円超から400万円以下の仲介手数料の簡易の計算方は、
「売買価格×4%+2万円」(別途消費税)となります。
この簡易の計算式だけしか見たことがない方には「+6万円」、「+2万円」の部分について疑問に思う方がいるかもしれません。
仲介手数料の上限は上記の1~3の計算式を用いて算出される為、このようになるのです。
仲介手数料の支払い時期は、パートナーの宅地建物取引業者によって様々ですが、3つのパターンがあります。
1・土地売却の売買契約の締結時に全額支払う。
2・土地の代金支払い及び所有権移転登記の手続き時に全額支払う。
3・土地売却の売買契約の締結時に一部を支払い、残金を土地の代金支払い及び所有権移転登記の手続き時に支払う。
既にご説明しました通り、仲介手数料の請求権の及び支払義務は有効な土地売却の契約が成立した時点で発生します。
それ以降であれば上記の1~3のどの方法でも問題ありません。
原則としてはパートナーの宅地建物取引業者と協議して決定しますが、実際の土地売却の現場では、パートナーの宅地建物取引業者が指定します。
売却にかかる費用のメインである仲介手数料の支払い時期によっては、手元に現金を用意しなければならない場面もあります。
パートナーの宅地建物取引業者には早い時期の仲介手数料の支払いの時期について確認しておいた方が良いかもしれません。
(3)売却するための準備に係る費用
全ての売主に必要な売却にかかる費用ではありません。
1:境界の確定費用
一般的に土地売却の契約書には、「売主は売却の対象になる土地の境界を明確にして買主に引き渡す」旨の記載があります。
本ホームページをご覧の皆様は、ご自身の土地の境界を示すプレートや杭をご覧になったことはありますでしょうか。
そもそも境界を示す杭などがありますでしょうか。
購入しようとしている土地の範囲がどこからどこまでなのか明確ではない場合、買主は将来境界に関する争いに巻き込まれてしまう可能性があります。
購入しようとしている方にその旨を説明し、それで納得したうえで購入していただくのであれば問題ありませんが、多くの場合将来争いが起こるかもしれない土地の購入を躊躇うものです。
土地の境界が明確でないことは、建物で例えると欠陥のある建物です。
欠陥は修理した方が、売れやすくなるでしょう。
土地の境界を明確にする手続きを行う専門家として、「土地家屋調査士」がいます。
売主がインターネット検索等で土地家屋調査士を探すこともできますが、多くの場合、パートナーの宅地建物取引業者に依頼すれば手配してくれます。
土地家屋調査士に境界の確定手続きを依頼すると手数料がかかります。
手数料は、売主の負担になります。
2:登記にかかる費用
売主から買主へ土地の所有権を移転させる手続きの費用は買主が負担します。
しかし、所有権移転手続きがスムーズにできるように登記事項を整理しておく責任と負担は売主が負います。
例えば、登記されている所有者の住所が実際の住所と異なる場合、記載されている所有者が売主の親の名前のままで相続手続きを行っていない場合、売主は住所や名義の変更を買主への所有権移転の前に、又は同時に行わなければなりません。
所有者についてばかりではなく、抵当権や差し押さえなど所有権以外の第三者の権利が登記されている場合も、その抹消手続きを買主への所有権移転の前に、又は同時に行わなければなりません。
登記に関する手続きを行う専門家として、「司法書士」がいます。
売主がインターネット検索等で司法書士を探すこともできますが、多くの場合、パートナーの宅地建物取引業者に依頼すれば手配してくれます。
司法書士に登記手続きを依頼すると手数料がかかります。
手数料は、売主の負担になります。
3:その他
売却する土地に建物が建っている場合、土地売却の条件によっては建物を解体しなければなりません。その場合、解体費用がかかります。
また、建物が建っていなくても残置物、樹木や植栽があると売却の条件に影響します。
そのままでも購入希望者が現れるかもしれませんが、できればそのようなものは処分した方が多くの方に購入を検討してもらいやすくなると思います。
それは早期売却の機会を広げることになると思います。
【執筆協力】
茅原真澄
・かやはら行政書士事務所
・ハウスアンドロー
代表
■保有資格
宅地建物取引士
行政書士
賃貸不動産経営管理士
日商簿記2級
フォークリフト技能講習修了